パクパク日記7年10月2週

              アイスランドは火山の国そして温泉天国なのだー!

レイクホルトの教会 ストックル間欠泉

(先週の続き)

10月 7日(日) 晴れ

夜 成田・日航ウィンズホテル成田 客室にて ルームサービス(コーンクリームスープ、チーズと

      ドライ フルーツの盛り合わせ、ミックスサンドイッチ フライドポテト添え)、ビール、赤ワイン 1本   

9000

  

旅行会社指定のホテルに夕刻到着。今回参加する旅行会社は、正午前の離陸便の場合、自動的に前

泊となるのだ。以前泊まった時は最上階のバーラウンジで夕食を摂ったが、久々に来てみると金曜と

土曜の夜しか営業しないんだと!つまり他の5日間はレストランが1ヵ所しか無いことになる。じゃ、ル

ームサービスでも取るかぁ。ビールの他に赤ワインを1本飲んでしまって、酔っ払った。キミはアホか?

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10月 8日(月) 成田は雨 コペンハーゲンは晴れ アイスランドは雨

第1食 成田・日航ウィンズホテル成田 「ジャルダン」 朝食ヴュッフェ

    二日酔気味で朝メシが不味い・・・アホ!

前泊しても集合はロビーに9時半と遅い。それでも6時には起きたぞ。昨夜ワインを飲み過ぎて二日酔

っぽい。シャワー浴びて髪を洗ってもすっきりせず。食欲無いといいながら、意地で食べる。ロビーで参

加者と顔合わせ。あれれ?どこかで見たような父娘・・・。K賀澤パパとMユミちゃんではないか。この

父娘とは去年2月アルゼンチン&ブラジルでご一緒し、Mユミちゃんとは今年3月キューバでもバッタリ

会ったぞ。彼女年に2度海外旅に出かけ、この2年の4回のうち3回私と会ったという訳だ。凄い確率!

第2食 スカンジナビア航空 成田=コペンハーゲンビジネスクラス機内食

  

    まぁ悪くはないね、機内食

コペンハーゲンまではスカンジナビア航空、そこからレイキャビックまではアイスランド航空。成田でチェ

ックインする際スーツケースをスルーするのかしないのかを巡ってゴチャゴチャして待たされ、搭乗時間

まで結構ギリギリになってしまった。いつもならANAラウンジで耳から煙が出る位吸い溜めするのに1

本吸っただけ。ちょっと機嫌が悪かったので、1回目の食事時には思いっきり酒飲んでやった。アホだ。

第3食 スカンジナビア航空 成田=コペンハーゲンビジネスクラス機内食

    しっかりおにぎりを確保して食べる

先月はフィンランドのヘルシンキまで来た。今月はそのヘルシンキ上空を飛び越し、デンマークのコペ

ンハーゲンまで10時間半位である。何度か来たことのある空港だが、床が木製でいかにも北欧って感

じ。ビジネスラウンジや通路に辛うじてスモーキングエリアがある。時差7時間、3時間後機上の人に。

第4食 アイスランド航空 コペンハーゲン=レイキャビック ビジネスクラス機内食

    4回目の食事はイラン

午後8時前離陸。良い匂いのする機内食だが、もう食べられんよ、キミ。3時間飛んでレイキャビックに

着いたのに、現地時間は午後8時45分!デンマークとここでは2時間の時差がある。日本時間では翌

日午前6時なのにね。10月8日は33時間あったことになる。ブルーラグーンに着いてクタクタである。

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10月 9日(火) アイスランド・ブルーラグーンは雨 夜暴風雨  アイスランド・クローナ=約2円

朝 アイスランド・ブルーラグーン 「ノーザン・ライト・イン」 朝食ヴュッフェ

    どこに行っても挟みます

昨日の移動日疲れを取るべく今日午前中予定は無い。でもちゃんと6時に起きて朝ご飯。質素なヴュッ

フェだが、工夫して美味しく。散歩にでも出かけたいところだが、雨が降り風も強い。そして周囲には地

熱発電所があるばかりで荒涼とした風景・・・。部屋で三脚組み立て方の練習したりして過すのだった。

昼 アイスランド・ブルーラグーン 「BLUE LAGOON」 野菜スープ、パン、パスタ、アップルパイ 

     イスクリーム添え、コーヒー @260IK

  

ホテルの車がピストン移送してくれ、5分程離れたブルーラグーンへ。近づくだけで硫黄の臭いが強くす

る。ほぉ、これがブルーラグーンかぁ!写真やテレビで何度か見たことがあるが、とんでもなく広い!!

日本も温泉一杯あるけど、これほどの大きさのものは無いな。負けた。入浴の前に食事。まぁまぁか。

さぁ、ロッカー室で水着に着替えて入浴じゃあ。シャワーが義務づけられており、濡れたまま外に出ると

恐ろしく寒い!風が強いから凍えそうだ。ブルブルブル。ポッチャーン!あったかーい!岸に近いところ

はヌル目だが離れると熱い。気持ち良かねぇ。ところどころに白い泥が溜めてあり、カラダや顔に塗って

即席パックで笑う。濛々と立つ湯気を強風が吹き散らして幻想的。湯は塩辛くて泳ぐのにも便利だな。

  

           巨大な露天風呂のブルーラグーン 湯はブルーだが硫黄の臭いがプンプン 水着で入浴

 アイスランド・ブルーラグーン 「ノーザン・ライト・イン」 セロリのスープ、パン、チキンのグリル、ク

レープ バニラアイスクリーム添え、3点セット(ビール、白・赤ワイン) @1500IK

  

6時半から自己紹介タイムがあり、夕食食べたら今日の日程はオシマイ。つまり、3食して温泉入った

だけ。アハハ、楽チンでいいわ。海外夕食ではいつも3点セットを頼むが、その値段が3000円!数十

ヵ国で3点セットを飲んで来たがこれまで最高の値段である。スープもチキンもとても良い味であった。

この場所もオーロラ観測に向くらしいのだが、何せ雨がずっと降っているから見込み無し。9時半就寝。

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10月 10日(水) 曇りのち晴れのち雨のち曇り

朝 ブルーラグーン 「ノーザン・ライト・イン」 朝食ヴュッフェ

昨夜は遅い時間から暴風雨になった。雨が激しく叩きつけ、強風がビュービューゴーゴーと窓ガラスを

揺らす。何せ平屋のホテルだからね。12時半、2時半、3時半と目が覚め、4時には起きてしまった。こ

のホテルは全館禁煙。5時に外に煙草を吸いに行って吹き飛ばされそうになった。台風時のテレビレポ

ーターのようであるぞ!本を読んで時間を過ごし、ようやく朝ご飯。早起きし過ぎも考えものであるね。

  

ギャオ(地球の割れ目)左・ユーラシア大陸、右・北アメリカ大陸   レイキャネストアトゥ       アイスランドの坊主地獄

チェックアウトしてレイキャネス半島の観光へ。この半島はアイスランドの南西にある。途中ケプラヴィ

ークの町を通過。NATO軍(実質アメリカ軍)が去年まで駐屯していたが、米軍の配置見直しで撤退。

自国で軍隊を持たないアイスランドには、これで軍隊はなーにも存在しなくなった。地球上には地球の

割れ目であるギャオが2ヶ所あり、それはアフリカのエチオピアとここアイスランドにあるのだと言う。ユ

ーラシア大陸と北アメリカ大陸が左と右に年2センチ位づつ離れて行く。そのギャオに懸る小さな橋を

渡ると別の大陸に行くことになる訳ね。それにしてもこの強風!最大瞬間風速は20メートルを超えて

いる。立っているだけでやっと。こうなると人間はただ笑うしかない。ゲラゲラ、ビューンビューン。アイス

ランドで初めて灯台が出来た半島の先っぽレイキャネストアトゥでも盛大に強風に吹き飛ばされたよ。

昼 グリンダヴィーク 「SALTHUSID シーフードとフェタチーズのサラダ、パン、シーフードのグラタ

ン風、コーヒー

  

この辺りは一面溶岩台地で、ところどころ白い蒸気が吹き上げている。火山の国だからあっちゃこっち

ゃに地熱が吹き出るのだ。別府の温泉地獄のような湯煙を見学してからグリンダヴィークでランチ。か

つては塩漬けタラの輸出で栄えた町と聞く。ここからポルトガルやスペインにね。過去行った北欧諸国

の経験から食事には期待しないで来たのだが、アイスランドは意外と美味しい。豊富な魚介類、安全な

草だけ食べて大きくなった羊など、ほぼ産地からあっという間に届く。新鮮な食材をどう調理するかの

問題はあるが、美味しいものを食べられる条件には恵まれている。この店のシェフは腕がいいと感心。

  

                    フロインフロッサル(溶岩の滝)は壮観            悲話のあるバルトナホス(子供達の滝)

北上してレイキャビックの郊外を走り、海底トンネルを通過。民間会社が作ったトンネルを政府が買い

上げて唯一の有料道路になっているのだそうだ。バスの車窓から目を凝らしても、人間なんてどこにも

いないぞ。何せ人口はやっと30万人を超えた国で、その6割は首都レイキャビックとその近郊に住ん

でいるからね。今夜から2泊するホテルにスーツケースを降ろしてから、滝を見に行く。フロインフロッサ

ル(溶岩の滝)は、幅数百メートルに渡る断崖から無数に水が流れ落ちている。いやはや壮観ではある。

その先バルトナホスは、「子供達の滝」の名の通り、二人の兄妹が滝に落ちて亡くなった悲話がある。

夜 レイクホルト「FOSS REYKHOLT 野菜のクリームスープ、パン、タラ料理、ティラミス、3点セッ

ト @1890IK =3900円!

   

     アイスランドは酒がイジョーに高い!

このホテルは、以前学校であった由。そして温泉地帯だから、バスタブに溜まる湯は硫黄泉だ!臭いプ

ンプンのトロリとした湯で、3日ぶり(ブルーラグーンのホテルはシャワーのみ)にバスタブでほっこり。し

かし、客室には電話も冷蔵庫もヘアドライアーも無いよ。アルコール3点セットは更に値段が上がり、約

3800円!!他の物価も日本の2倍という高さだが、アルコールの値段はイジョーとしか言いようがない。

不思議に思っていたら、蔓延するアルコール中毒を抑制するための同国の政策なんだってさ。チェッ!

今晩こそオーロラをと思っていたら、夕食後雨が・・・。毎晩オーロラ番をする添乗員のYさんも大変だ。

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10月 11日(木) 晴れのち雨のち曇りのち雨

 レイクホルト「FOSS REYKHOLT 朝食ヴュッフェ

    朝食にはワッフル

5時起床。日の出は8時前だから、未だ真っ暗で星が見える。今日は晴れかな?朝食ヴュッフェ会場に

はワッフル焼き器がセットされていて、それからの毎朝は大人気メニューとなる。私はこの日1枚食べ

ただけだが。卵料理は茹卵ばかりで、オムレツやスクランブルは全く無い。そうゆう習慣なのだろうか。

  

     アイスランドに来て初めて青空を見た!          アルトナルスターピの漁港         ブージルの小さな黒い教会

朝食後、外は明るく晴れた!初めての青空。やれば出来るじゃん?「晴れたわねぇ」と皆さんごキゲン

でバスに乗り込むが、5分もすれば俄に曇ってポツポツ雨が・・・。アイスランドの天気予報といえば、ほ

ぼ毎日が「一時曇り、一時雨、一時晴れ・・」という具合で全部有り。「アイスランドの気候は15分待て。

そうすれば変わる」という諺があるそうだ。今日は島の中央部西側に大きく突き出たスナイフェルスネス

半島を観光する。スナイフェルスネスは「雪山半島」の意で、トイレ休憩をしたボルガルネスという町は

「人のいる町」という意味だそうでして。主にノルウェイからの移民が先祖のアイスランドでは、ヴァイキ

ングの神への信仰があるが、オバケや妖精のエルフの存在が今でも信じられている。21世紀を生きる

人々でも、エルフが嫌うことは避けねばならない。例えば道路を作ろうと計画するも、予定地に怪しげな

岩が転がっていたり、その岩を撤去する人が事故にあったりすると「エルフが嫌がっている」と判断して

計画を変更するのだとか。よって、真っ直ぐの道がヘンに曲がったりすることもあって、「あぁこの先に

はエルフの棲み家があるのだな」と思うのだそうだ。小さな黒い教会は、初めて女性が造ったらしいよ。

昼 オウラフスヴィーク 「オウラフスヴィークホテル」 グリーンサラダ、パン、アンコウの串焼き ラ

    イ ス添え、チョコレートケーキ、コーヒー

  

雨と霧で景色は何も見えない時間が続いたが、半島の北海岸に向けて坂を下りて来るとパぁーっと霧

が晴れて目の前に海が広がり、バス内に歓声が湧く。ランチの魚はアンコウと聞き、まさか鍋じゃない

だろうなぁと思っていたら、何と串に刺されて登場。うーむ何か雰囲気違い過ぎるよね。悪くはないが。

夜 レイクホルト「FOSS REYKHOLT」 サラダ、パン、ローストポーク 赤ワインソース、バニラアイ

スクリームチョコレートソースがけ 3点セット @1890IK

    サラダじゃなくてスープ出せー!

帰り道、ホテルの近くの源泉に寄る。毎秒97度の熱湯180リットル噴出するヨーロッパ最大の湧出量

を誇っているって。パイプであちこちの町に温泉を送る他、ビニールハウスでは野菜を育てている。きゅ

うりやトマトが主だったが、最近では白菜や大根の栽培も行われ、新鮮な魚介類をどっさり入れた鍋は

絶品とガイドのミズホさんが自慢していた。滞在しているレイクホルトは、「エッダ」で知られる詩人であ

り、政治家・歴史家でもあったスノッリ・ストゥルルソンが晩年住んで暗殺された場所でもある。12世紀

から14世紀にかけて編纂された叙事詩「サガ」などで知られる中世文学研究所がホテルの隣にあり、

その中庭にはスノッリ・ストゥルルソンの銅像が立っている。「指輪物語」はそこから取ったのだね。夕食

の後、今晩こそオーロラ!と張り切って準備し、外に出るとまた雨が・・・。エーン!いつ見られるのよ!

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10月 12日(金) 曇りのち晴れのち雨のち曇り

 レイクホルト「FOSS REYKHOLT 朝食ヴュッフェ+チキンヌードル

    タイ製のヌードルですタイ

5時起床。昨日トイレ休憩で寄ったスーパーでカップ麺を買って来た。この国でも作っているのかと思っ

たらメイドイン・タイだった。相変わらず風が強く冷たく雲もビュンビュン流れ。今日の天気はどうなる?

  

          クヴァールフィヨルド          唯一の世界文化遺産シンクヴェトリル国立公園 巨大なギャオ(地球の割れ目)

この国には世界遺産は1つ。巨大なギャオが無数に走るシンクヴェトリル国立公園だ。それなら自然遺

産かって?ところが、ちゃいまんねん。文化遺産。アイスランドは、930年世界で一番早く民主議会「ア

ルシング」が誕生した国なのだ。毎年6月の白夜の季節に2週間開催される議会は屋外で開かれてい

たため、建物等は無いが、この地が世界文化遺産として登録されている。展望台に到着した頃は強風

に大雨が加わりハイキングは止めてバスで移動することにした。それでも大勢の方々歩いてエライ!

昼 ヘットラ 「ARNARBAER ランチヴュッフェ(ロブスターごろごろシーフードクリームスープ×2杯、

     野菜クリームスープ、手製パン、3種のサラダ、ホームメイドケーキ、コーヒー

  

  

ARNARBAER」は馬の家。千年間純粋種を保っているアイスランドホースに係わる仕事をされてい

るご一家が丘の上のお宅でレストランも開いている。ご自宅に招かれた感じね。キッチンには美味しそ

うなスープが2種類たっぷり用意されていた。シーフードスープには、ロブスターや小海老がゴロゴロ入

っていて豪華。自分でたっぷりよそって、3杯も食べちゃった!ホームメイドのケーキも旨いし。ゲップ!  

  

    赤い屋根の建物は馬房と屋内練習場         可愛いアイスランドホース     ワンちゃんも張り切ってお出迎え

アイスランドホースは、サラブレッドより一回り小さい。顔カタチはポニーのようだが、リッパな馬だ。冬

毛バージョンになると、タテガミがどんどん長くなり昔の武田鉄也そっくりになるんだとか。この国で馬の

役割は?乗馬以外特に何も無し。乗馬訓練が始まると犬3頭も興奮して走り回るし猫もハシャイだよ。

夜 ヘットラ 「ホテルランガ」 ツノメドリ(パフィン)のスモークとサラダ 洋梨の赤ワイン煮添え、パン、

     タラのソティ マスタードソース、ミントパンナコッタ、3点セット @2100IK4200円だよ!

  

今日から3連泊するヘットラのホテルランガは、オーロラ観測専用高級ロッジ。この地方で唯一の4つ

星ホテルだそうだ。これまでオーロラは一度も見ていないから、ここでは絶対!と皆さん意気込んでお

られる。お洒落なだけでたいして美味しくない夕食を食べていると、ガイドのミズホさんが飛び込んで来

た。「みなさーん、ようやくオーロラ出ましたぁ!」。デザートの途中の人、お茶を一口飲んだばかりの人

も一斉に席を立ち、ドヤドヤと屋外へ。写真で何度も見た緑や赤のカーテン状のものなどを予想してい

たのだが、実際は色が薄く、ボンヤリ見ていると雲のようだ。部屋で寒さ対策の服装、カメラ&三脚&レ

リーズシャッターの準備をして撮影に挑戦。ゲゲゲ、ちっともうまく行かん。ISOいくつにすればいいん

だ?シャッタースピード何十秒?強風で吹き飛ばされそうになりながら、何度もやるがダメ・・。ショボッ。

それでも、夜空に煌く星はカンドー的。あれがカシオペア、あれが天の川・・・・。ホントにキレイな星空。

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10月 13日(土) 曇りのち晴れのち雨のち曇り

 ヘットラ 「ホテルランガ」 朝食ヴュッフェ

結局昨夜は一枚もオーロラ写真は撮れなかった・・。隣室のO角さんのカメラを覗くと、きっちり緑色の

オーロラが何枚も写っている。ガックシ。どうも2点カメラの設定がダメだったようだ。よーし、今夜こそ! 

  

           ストックル間欠泉            その近くで若者達が上半身裸で騒いでおった

今日はアイスランドの中でもゴールデンサークルと呼ばれる人気観光地を巡る。クヴェールゲルジとい

う地熱温室、ケリズ火口湖を回った後、いよいよゲイシール間欠泉へ。この写真は何度も見ていて楽し

みにしていた。しかし、英語のガイサー=間欠泉の語源ともなったゲイシールは、とっくに衰えて現在は

活動しない年金生活者になってしまった。その代わり息子のストックルが隣で活躍中なのだが、60

70メートル吹き上げた父親に対し、息子は2030メートルがせいぜい。しかも、2秒位で吹き上げは

終わってしまい、間隔も一定しない気まぐれ者だ。カメラ構えてシャッター半押ししていなければ撮影は

無理。そうやってジッと待っていると、雨がポツポツ・・ジャージャー降り。ったくもう!ビショ濡れになって

建物内に駆け込むともう雨は止む。また間欠泉の側に行くと、また雨って調子なのだ。そんな寒い場所

で学生だろうか20人位の若者が上半身裸で騒いでおる。歌っている曲は?「お爺さんの時計」だった。

昼 グルフォス 「GULLFOSSKAFFI」 ホワイトアスパラのクリームスープ、パン、タラのオーブン焼、

     コーヒー

  

塩味がほんのちょっと濃いが、昨日に続いて今日のホワイトアスパラのクリームスープも美味しい。メイ

ン料理は食べなくてもいいからと2杯半飲んでしまったのだが、その後出て来たタラのオーブン焼きの

味が良いこと!腹一杯でたくさんは食べられんよ。この料理が滞在中一番美味しい一皿であったぞ。

  

       迫力満点のグルフォスの滝   滝を守った恐い顔の女性が滝を見つめている     滝に虹がかかり

ランチを摂ったレストランは有名なグルフォスの滝の上にあった。グルフォスは黄金の滝。幅70メート

ル、落差32メートルの滝が3段に落ちて来る。南米のイグアスの滝、アフリカのヴィクトリアの滝を見て

いるが、これはこれで大迫力。今ではアイスランドの観光の名所になっているグルフォスの滝だが、寸

でのところで壊される所だった。というのも、ここに水力発電所を建設する計画が持ち上がり、その線で

コトが進みそうになった時、近所に住む女性が「絶対ダメ!」と一人反対運動を始める。周囲は聞く耳を

持たず困り果てた彼女は130キロ離れたレイキャビックまで歩いて行く。「あの滝を壊すことを止めない

のなら滝に飛び込んでやる!」と政府を脅し、困った政府は計画を中止。今も彼女は滝を睨んでいる。

夜 ヘットラ 「ホテルランガ」 トナカイの燻製と山羊のチーズサラダ、パン、北極イワナのシャンパン

    ソ ースがけ、ホッとチョコレートケーキ、 白・赤ワイン @1500IK

  

  

昨夜撮れなかったオーロラの撮影を今晩は是非!料理は大したことは無いが、パンだけ(朝食のヨー

グルトも)が美味しい。さっさと食事を終えて撮影準備。ホンノリと小さなオーロラが9時過ぎ出現。しか

し撮影してみるも真っ暗な空ばかりで・・。その後雨が降ったり止んだりで、結局撮影は失敗に終わる。

折角三脚もレリーズシャッターも持って来たのにさ。2階のレストラン、客室ではアイスランド人が大勢

酒盛りをやっていて、そのウルササは耐えられないヒドさ。その上、2階から火のついた煙草を何本も

放り投げるし!オーロラを待つ身の神経を逆なでするよ。12時寝る。この後オーロラ出たらしい・・・・。

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10月 14日(日) 曇りのち晴れのち雨 一晩中雨・・・・

 ヘットラ 「ホテルランガ」 朝食ヴュッフェ+お粥、しば漬け、味噌汁

    久々の和食もいいねぇ

今回参加した旅行会社は朝食に一度お粥、しば漬け、味噌汁のサービスがある。今朝その日だった。

  

          セリャランスフォスの滝     アイスランド最南端ディルホゥラエイ     玄武岩の柱状節理が各地で見られる

今日は南海岸を回る。滝巡りの日でーす、とガイドのミズホさん。セリャランスフォスの滝は幅は狭いが

高さは65メートルある。昨日行ったゲイシールの間欠泉は最盛期こんな高さまで吹き上げていたのだ

な。滝の裏側も歩くことが出来て、高齢な人程行ってしまうのであった。因みに今回21名の参加者中、

80歳台は3名おられる。滝見学を終えると、激しい雨がジャー!濃霧で視界を失う。ところが、アイスラ

ンド最南端のディルホゥラエイの海岸に着くと、青い空が出て気持ち良く晴れ渡る。ホントにこの国の天

候はどうなっているんだろう。海岸まで迫る断崖には玄武岩の柱状節理が見られる。去年行った北アイ

ルランドにもジャイアンツ・コーズウェイという大きな形状節理があって、あそこは世界自然遺産だった。

昼 ヴィーク 「HOTEL DYRHOLAEY カニカマのクリームスープ、パン、ラム料理 ハッシュドポ

     テトと豆添え、チョコムースとアイスクリーム、コーヒー

  

海岸に行く途中には、羊があちこちで草を食んでいた。夏は山に放ち、秋になるとそのヘンの草を食べ

させて冬になると畜舎へ。そろそろ生後3、4ヶ月の子羊(ラム)の出荷時期なのだとか。そのラムがラ

ンチのメインで出た。アハハ、子羊ちゃん、ゴメンネ。確かにこの国のラムは臭みも全く無いのだった。

  

              ミールダール氷河         スコウガル民族博物館             スコウガフォスの滝

アイスランドは小さな国だが、国土の10%は氷河が占めている。その4番目だったか大きな氷河であ

るミールダール氷河を見に行った。大昔に行ったカナディアンロッキーのコロンビアアイスィールドもス

イスの氷河もどんどん解けていると聞くが、ここは大丈夫?スコウガル民族博物館は、ホルグルさんと

いう個人が収集した1万2千点を開示していた。物資に乏しい国は、鯨や動物の骨、木などを何でも使

って道具を作っていたのね。古い民族楽器を弾いてくれたのは、80台後半のホルグルさんご本人!

夜 ヘットラ 「GUESTHOUSE ARHUS サラダ、パン、サーモンソティ ポテト添え、スキール、

     3点セット 1850IK

  

明日最終日は首都宿泊だから期待出来ないとすると、オーロラは今夜が最後のチャンスだ。ところが、

夕刻から雨が降り始め、夕食のレストランに出かける頃には益々雨は激しくなって。デザートに出たス

キールは千年前スカンジナビアから移住して来た先祖達が持ち込んだ一種のソフトチーズで固まった

ヨーグルトと言っても良い。ホテルに帰っても雨は止まない。全館禁煙のホテルで煙草吸うにも濡れる。

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【今週の振り返り】

アイスランドは、北大西洋のほぼ真ん中に浮ぶ島国である。北緯63度〜66度、最北端のグリームス

エイ島は僅かに北極圏にかかる。名前がアイス(氷)だし、そんなに北にあるのならさぞや厳寒の地だ

と思うでしょ?ところが、ノルウェイやフィンランド、カナダの北部などに比べると、冬はそれほど寒くは

無い。メキシコ湾暖流が流れている影響なのですな。だから、比較的寒くないオーロラ観測地となる。

しかし、北極圏から冷たい大気が流れ込んでくるため、メキシコ湾暖流との暖かい大気がアイスランド

上空で鉢合わせし、せめぎ合い、猫の目のようにくるくる変わる不安定な気候をもたらすという訳だ。地

球上でエチオピアと並んで地球の割れ目(ギャオ)がある国であることは既に記したが、この国は大西

洋中央海峰(海上山脈)の頂上部分なのである。つまり、海の底に沈んでいるハズの海上山脈上部が

国土なのだから、海洋プレートが地上で見られることになる。そんな国だから、火山あり、温泉あり、間

欠泉あり、滝あり、氷河あり、フィヨルドありの土地になるのだよ。

国土を大雑把に言えば、北海道+四国。そこにたった30万人しか住んでいない。それも「目指せ!人

30万人!」と大騒ぎして達成したのは1年前のことらしい。首都レイキャビックとその近郊に30万人

618万人が住み、2番目の大都市(?)アークレイリの人口は1万2千人というから目が点にな

る。ちょっと通過しただけだったがセルフォスという町は人口5千人で、5番目に大きな町ということであ

った・・・・。それでも、ごく一部の地域を除いてパラパラとではあるが、国中の海岸部に人が住んでいる

というのだよ。1平方キロメートルに何人住んでいるかを示す人口密度は日本(2005年)は343人だが

アイスランドは3人だって!!日本と340人違うんだぁ。しかし平均寿命は男78歳、女81,4歳で世界

8位を誇る長寿国でもある。

この国の歴史はあまり長くない。800年代にノルウェイのフロキ爺さんが発見するまで、無人の島であ

ったから。フロキさんは、この海の向こうには何があるんじゃろと船を漕ぎ出しある島の北西部に上陸し

て一冬を過す。北西部という寒い場所でかつ越冬食料の備えを万全にしていなかったから嫌気がさし

て「こんな人の住めない土地アイスランドなんか出て行ってやる!」と帰ってしまった。(これはガイドの

ミズホさんから聞いた話だが、他の資料にはヴァイキングのインゴルフル・アルトナソンが初の越冬をし

た、となっていた。ホントのことは分らない)その後、地方領主しかいなかったノルウェイにハラルド美髪

王が、周囲の領主を破って誕生し、彼の征服を嫌った人々、戦いに負けた人々が新たな土地を求めて

アイスランドに移住して来た。870年から930年にかけて2万人が移住したと言う話しだ。最初に移住

したインゴルブルさんは、フロキ爺さんと違って島をちゃんと研究して一番住みやすいと思った土地を

選ぶ。それが今のレイキャビックである。世界文化遺産となったシンクヴェトリルの民主的議会「アルシ

ング」はそんな移住者達が民主的に揉め事を解決し、自分達のルールを決めるために生まれた場なの

であーる。しかし、13世紀にはノルウェイの植民地となり、14世紀の終わりにはそのノルウェイと共に

デンマークの支配下に。16世紀にはデンマークの命令でルター派に改宗を余儀なくされるわ、ペストは

大流行するわ、火山が爆発するわ、大飢饉に襲われるわで、「♪ なにーも良いことが無かったこの国

でー♪」って悲しい時代が長く続いたんだよ。状況が変ったのは、第二次世界大戦。デンマークがナチ

ス・ドイツに占領されたことだったが、デンマークの次はイギリス、そしてアメリカに統治されるのだ。一

つの共和国としてちゃんと独立するには、19446月17日まで待つしかなかった。

でも、今では違うよ。工業、観光業などの発展と共に、この国はちょっとしたバブルを迎えている。それ

に伴なうインフレも凄いらしいが。識字率99%という高い教育水準を誇り、難解なアイスランド語に加

え、英語、デンマーク語を解すトリリンガルも珍しくない。たった30万人しかいないのに、多くの文学者

や音楽家を輩出する国でもあるのだ。このあと首都レイキャビックに行くので、続きはまた来週!

 猫も羊も馬も人口に加えればいいのにニャア

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