パクパク日記8年7月5週

        ワオキツネザル、ベローシファカ、バオバブの木・・・マダガスカルにいまーす!

カンムリシファカ バオバブの木

7月 28日(月) 晴れ

朝 家食 キュウリとハムサラダトースト、豆腐のとろとろリゾット、蜆スープ、バナナ

    旅は仕事してからね

6時起床。今日は月に一度のパートをやった後、そのまま成田に向かう。つまりムッチャ忙しい朝という

ことだ。朝食、後片付け、ちゃちゃっと掃除、ゴミ捨て、シャワーなど、まるで働き者母さん(婆さんでは

ないかという指摘あり)のごとく動いた。でも、朝はどこの家も戦場のような忙しさって言うね。さぁ出発だ。

昼 成田第一ターミナル 「翠鳳」 野菜炒麺 1100円、ドリンクバー 300

     この炒麺、ちっとも美味しくない!

会議は午前11時半に終わった。東京駅まで送って貰い、成田エクスプレスに乗る。今日はフンパツし

てグリーン席に乗っちゃおっと。わっ!ガラガラだぁ。ウツラウツラしているうちに成田に着き、グリーン

代は無駄だった。遅いランチはいつか教えて貰った中華の「翠鳳」。野菜炒麺はちっとも旨くなかった。

夜 タイ航空 成田=バンコック ビジネスクラス機内食

  

    この頃は食欲旺盛

今回は初めての旅行会社のツァーに参加する。ANAラウンジに座っていると突然鬢付け油の匂いが

プーんとした。レレッ!朝青龍が朝赤龍を従えて私の前を通り、近くにどっかり腰を下ろしたではない

か!もうおケガはいいのですか?なんて聞けないし。ゲート近くの喫煙所に行けば、安馬が煙草吸い

ながらケータイで話している。モンゴル航空の最終案内後、テレビカメラ、カメラマンが待ち構える中、

悠々と朝青龍が機内に入ってゆくと、その後優勝横綱・白鵬がノッシノッシ最後に乗り込んだ。名古屋

場所の翌日、モンゴル力士は里帰りするのね。8月末にモンゴル巡業もあるから?こちらの4時55分

発のタイ航空は30分遅れだ。バンコクまでは6時間。お酒飲んで機内食もいっぱい食べてやれやれ。

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7月 29日(火) マダガスカルのアンタナナボリは晴れ      100ar(アリアリ)=約7円

朝 マダガスカル航空 バンコック=アンタナナボリ ビジネスクラス機内食

    このビーフンいけました!

バンコック空港のラウンジで暫く過ごし、夜中の12時半マダガスカル航空に乗り込む。午前1時過ぎ離

陸。日本時間なら午前3時だよ。飲み物も食べ物もなーにも要りません!と寝る。異常に寒い。震えな

がら寝ていた。7時間半後レユニオン着。今回の旅でレユニオンなんて島があることを初めて知った。

ここはねぇ、フランスの国外県なんだって。大勢の客がここで降りて、掃除後新しい客が乗って来る。こ

の間1時間半。そこから1時間半のフライトで、ようやくマダガスカルの首都アンタナナボリに到着した。

昼 アンタナナボリ空港のレストラン ランチヴュッフェ

  

スルーガイドのマミさんが迎えてくれた。彼はヘタクソな日本語を話す。乗り換える国内線が午前9時発

なので焦っていると「大丈夫です。飛行機遅れます。9時でなく、12時半です」・・・・。ウームである。そ

の間どうするんだ!どうもこの国ではよくあることらしく、マミさんは慌てず「タクシー乗ってワニ見に行き

ましょう」ってことで、3台に分乗してワニ園に行く。何じゃこれは!と驚く位うじゃうじゃとワニがいる。見

学者が少ないので聞いてみると、ここはワニを飼育して出荷するのが主業務なのだと。なるほどねぇ。

夜 ベレンティロッジ キッシュ、パン、チキンソティ  野菜添え、パパイア、ビール小 4000ar、白ワ

     イ ン 6000ar

  

首都アンタナナリボは標高1250メートル、しかも南半球だから真冬だ。空港に着いた時、寒さにブルッ

とした。12時半ようやく飛行機は飛んだが、真南のフォール・ドーファンに行くのに南西の町チュリアー

ルを経由して行くんである。やたらと時間がかかる国なのだよ。3時前ようやくフォール・ドーファン着。

ほっとしたのも束の間、ここからがタイヘンなのだ。今夜の目的地ベレンティまで僅か88キロなのに所

要時間は4時間!!皆ウソだろうと思っていたが、走り出してすぐ悟った。これなら4時間はかかるわ。

とにかくとんでもない悪路。すべての道のアスファルトがボコボコに深くエグれていて、時速5km位で右

に左にハンドルを切って大揺れで進むのだ。両端にある牛車用の方が道がいい。揺れる度に私らは座

席の荷物が落ちないよう押さえ、首はグラグラ。余りの揺れに笑いが起きる。急ぐ旅ではあるが、フル

ーツ市場や木彫製品の店で車を止めて暫し休憩。この頃からどうも私は体調が悪い。飛行機の中でど

うも風邪を引いたらしい。寒いしだるい・・・。風邪か?日もとっぷり暮れた午後7時ようやくベレンティロ

ッジに到着した。成田を出発してからなんと32時間!ほうほうのテイである。真っ黒のビロードのような

夜空に宝石のごとく星が瞬く様は感動的!ビールとワインで何とか半分食べるも、食欲は無い。脱力。

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7月 30日(水) 晴れ

 ベレンティロッジ ジュース、オムレツ、パン、チーズ、ヨーグルト、コーヒー

  

昨夜はシャワーも浴びず9時半には寝てしまった。トイレに2度起きたのだが、そんな時間このロッジ

は消灯で真っ暗。枕元に置いた懐中電灯で照らしながらトイレに行くのだよ。昨日の凄まじい長ドライブ

の半分は真っ暗な道だった。南の地方には電気なぞ無い。小さな家ではローソク暮らし。街灯も無し、

家の明かりも町の明かりも無い真っ暗なでこぼこ道を走って来たのだ。このロッジは同じ経営者が敷地

内にサイザル工場を持っているから、自家発電装置があり、工場用のおこぼれの電気をロッジが使う

システムなんである。目覚めたら喉が痛い!本格的に風邪引いた。朝食の席でガイドのマミさんが何

でも効くという液体をジュースにポトポト落としてくれた。ここベレンティは、民間経営の自然保護区で、

ワオキツネザルや横跳びで有名なベローシファカなど5種類のキツネザルが棲んでいる。朝食を摂っ

ていると早くもワオキツネザルが悠々と歩いていてビックリ!こんなにカンタンに「発見」出来ちゃうの?

  

モーニングサファリ。集合場所に日向ぼっこするワオキツネザルの家族やベローシファカがたくさんい

て「何もサファリなんか行かなくてもここで十分じゃん」と参加者からの声声。そのうちベローシファカが

横跳び始めて、皆夢中でシャッターを切る。面白い!かわいい!何度もやって!これが長年見たいと

思っていたシファカなんだぁ。ここのサル達は人間を全く警戒しないから、撮影に協力的(?)でいい。

  

          愛嬌あるブラウンキツネザル        ベレンティ保護区の森の中     横跳びしないで焦らすシファカ

1936年フランス人によって設立されたベレンティの意味は「たくさんのウナギ」。笑っちゃうでしょ?とん

でもなく太いウナギが敷地内の川にいたからだそうだが、現地の人はタブーと言ってウナギはゼッタイ

食べないそうだ。もったいない!明日有名なバオバブを見に行くがその苗木の余りの細さに一堂驚く。

こんな細い木があんな幹に・・・・。象の足なんて珍しい名前の植物もあった。森の中ではワオキツネザ

ル、ベローシファカはもちろんのこと、ブラウンキツネザルもいる。シファカの横跳びをジッと待つ私達。

 ベレンティロッジ パスタサラダ、羊肉のロティ 豆添え、フルーツカクテル、持込のジャックフル

      ー

  

  

この保護区ではベレンティロッジが唯一の宿泊施設だから、食事はすべてここで摂る。あまり美味しくな

い上に風邪で食欲がないからつついただけ。昨日添乗員のO田さんが買い求めたジャックフルーツを

食べてみた。何と表現していいかわからない不思議な食感と味である。ロッジに帰る道でふと振り返る

と真っ青な空!こんな美しい空は今外国でしか見ることが出来ん。旅は始まったばかりなのに風邪引

きでは困る。午後はアンタンルイ続の博物館とサイザル麻工場の見学があったが、私はロッジで寝る。

   左イタチキツネザル、右ネズミキツネザル

日没は5時半。とっぷり暗くなった6時半、携帯虫除けと寒さ対策してナイトサファリに出かける。鬱蒼と

茂る木々の中、細い道を懐中電灯を照らしながら進む。こんな暗いところでホントに動物なんか見つか

るんかい?そこはプロです、ガイドのオリビエさんが「あそこ、照らした枝にイタチキツネザルが」と小声

で囁く。おお!いた。小さいカラダに目がキョロっとしたかわいいヤツが。しかし暗くて遠くて高い場所の

小さな動物を撮影するって難しいね。暫く歩いて今度はネズミキツネザルが。キツネザルでは最小で体

重はわずか30グラムとか。これで5種類のキツネザルを全部見た。憂愁なガイドさんに付くといいね。

 ベレンティロッジ 茄子のフリッター、ポークソティ、バナナのチョコレートがけ、ビール小 4000ar

白ワイン 6000ar

  

午後寝ていたせいか、風邪は少しずつ良くなっているようだ。しかしこのロッジの酒は高いねぇ。ビール

のTHB(3匹の馬)小瓶が280円、小さなグラスのワインは420円だよ!ま、ここまでの運び賃というこ

とでしょうな。それにしてもこの国のお金の単位はアリアリ。アリアリが無し無しの人はたくさんいるのだ

ろうね。1万円両替したら14万アリアリの札を貰い急に金持ちになったような気分だ。今日の消灯は午

後10時ということで、そそくさと夕食を食べて部屋に帰る。明日真っ暗な中での荷作りはイヤだしねぇ。

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7月 31日(木) 晴れ

朝 ベレンティロッジ ジュース、オムレツ、パン、チーズ、ヨーグルト、コーヒージュース、オムレツ、パ

ン、チーズ、ヨーグルト、コーヒー

    真っ暗なレストランで懐中電灯当てて食事

5時起床。ローソクをつける、ローソクってこうしてみると明るいものだ、こちらの人はローソクやランプ

で暮らしているらしいし。電気が点くのも日が昇るのも6時半だが、朝食は6時から。レストランは明るい

と思ったら例外無し!調理場でもやっぱりローソクで準備しているのだった。懐中電灯つけて食事する。

キツネサル達は寒いせいか未だ寝ているらしい。7時出発。またあのガタガタ道を4時間走るのだね。

昼 機内でお弁当

一面に広がるサイザル畑に朝日が照りつける。ほとんどの人々は歩いて移動だ。ゴム草履やサンダル

履きの人もいるが裸足が多い。ミニバスとはいえ、大型の車は珍しいらしく、子供達が手を振ってつい

てくる。背中にコブのあるセブ牛がのんびり草を食んでいる。途中で牛市場が開かれていて、そこは夥

しい人々と露店、牛達がいた。この地方の人達の一番の楽しみは市場らしい、山岳地帯に入って、青

空トイレタイム。「男性はバスの左側、女性は右側!」。I島さんがバスの酔ってぐったりしている。私は

咳き込んでいる・・・。飛ばした(?)せいか、今朝は3時間40分で走破した。ムルンダヴァ行きのフライ

トは12時20分発なのだが、先日は1時間も早く飛んでしまったという話を聞いて、早めに到着するよう

にしたのだ。果たして飛行機は1150分に飛び立った!欠航も遅延も当たり前の航空会社は、予定

より早くも飛んでしまうのだよ。なんてこった!席は自由席。水の持込もOK。経由したチュリアールで

は飛行機から下ろされ、午後2時過ぎムルンダヴァに着いた。島の西側中間位の位置する町である。

  

         双子のバオバブの木          これが有名なバオバブ街道     夕暮れまでお茶を飲みながら待って

2台の車に分乗してまたもやガタガタ道。喋ると舌を噛みそうだ。米が主食のこの国、ちょっと郊外に行

くと水田が広がる。場所によって年3回収穫するそうだ。水田にポツリポツリとバオバブの木が見えて

来た!バオバブは枝の無いすっくと立つ大木だと思っていたが、実は8種類(9種という説も)あり、マダ

ガスカルではその多くが見られる。昨日見た頼りなさげな細い苗木が、樹齢600年から800年になると

こんな巨木になるんだぁ。近所の子供達は外国人観光客がたくさん来るのが嬉しくてたまらないらしく

はしゃぎまわっている。田んぼの横っちょにセッティングされたお茶のテーブルで熱いコーヒーを飲みな

がら夕暮れを待つ。日が西に傾くに従って空は赤く染まり、バオバブのシルエットが美しく映えるのだ。

夜 モロンダバ 「レナラ」 蟹の甲羅詰めオーブン焼き、海老カレー、フルーツカクテル、ビール、マダ

ガスカルラム「DZAMA」、赤ワイン(飲み物サービス)

  

    ロブスター不漁につき・・・

真っ暗なデコボコ道を30分走ってホテルに向かっていた時、異様な光景が見えて来た。灯りだ!何と

街灯がある!民家にも灯りがある!町の中心地には電気が来ているらしい。こんなことに驚くようにな

ったことについ笑ってしまった。今晩の宿は海辺の「レナラ」。部屋は広いし、テレビまである!しかも

24時間電気は消えないそうで、お湯も24時間使えると!ウレピー!人間は、「無い状態」の後には些

細なことでもカンドーできる。今晩はロブスターの予定だったが、不漁のため無し!代わりとして蟹と海

老料理だったが、お詫びに飲み物代はフリーだって!マダガスカルのラム酒を飲んでみた。まぁまぁ。

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8月 1日(金) モロンダバは晴れ アンタナナボリは曇り ペリネは濃霧と霧雨

朝 モロンダバ 「レナラ」 ジュース、オムレツ、温かいフランスパン、ジャム、コーヒー

    フランスパンが旨い!

5時起床。うぅっ寒!シャワーを浴びるとお湯がじゃんじゃん出る。嬉しいなぁ。ベレンティではチョロチョ

ロしか出なかった。それでも現地の人に比べたらゼータクしていたんだけどね。この国で一番大事なの

は水と電気だそうだ。体調を崩して昨夜の夕食をパスされたI島さんが朝ご飯の席にいらした。復調ま

で行っていないので、午後から別行動を取ることに。焼き立てのフランスパン。皮がパリパリで旨い!

  

          ピローグは音も無く進む  お肌のパックは泥で!どこの女性もお洒落       椰子の下のベタニア村

大きなアウトリガーのついたピローグというカヌーに分乗してベタニア漁村に行く。車のように揺れなく

てチョー気持ちいい!小さな輸送帆船には、十数人の家族が乗っている。乗合船もあって、浅瀬には

乗り換え地点まであった。砂浜によろよろと上陸。向こうに見える村では子豚と子猫と子供が走り回っ

ている様子が見える。可笑しい。椰子の林の中にはヴェズ族の約千人が漁業を営んで暮らしている。

一旦ホテルに戻ってバスに乗り換え。またもやガタガタ道を40分走ってメナベ公演に行ったが、余りに

お粗末な動物園で、チェッ!って感じ。この後市場の見学なぞもしたが、それと言うのも、12時発のマ

ダガスカル航空が、またもや2時間半遅れるというのでヒマつぶししているんである。困った会社だ。

昼 モロンダバ 「レナラ」 パン、茹で蟹、パン、ミサカ(マダガルカル風焼きそば)、パパイア

  

  

そんなことで、ランチはまたもや「レナラ」ホテルに戻って摂ることに。今日は茹で蟹だぞ。しかし食べに

くいねぇ、食べるところも少ないし。それよりミサカという焼きそばの方がずっと旨い。モロンダバがある

西部地方は、移民あるいは奴隷として連れて来られたアフリカ系の人々が多く住むが、町の政治や経

済を握っているのはパキスタン系住民。だから町にはいくつものモスクがある。海も空も美しいぞ!!

夜 ペリネ 「バコナロッジ」 トマトスープ、パン、魚のソティ 野菜添え、クレープ、ビール、白と赤ワ

      イ ン 計1万ar

  

ここに来るまでが実にタイヘンだった。2時半に乗り込んだ満席の飛行機で首都アンタナナリボへ行き

そこからボロいミニバスで今度は東部の山の中、ペリネに向かったのだ。ペリネまでは約150km。ベ

レンティまでの約90kmで4時間だったから7時間かぁ?驚くことに道路のアスファルトがしっかりしてい

て(初めて!)真っ直ぐに走ることは出来るのだ。しかし、東海岸にあるタマダヴの大きな港に向けて巨

大なトラックがバンバン走り、しかも曲りくねった山道が多いからエラク時間がかかる。一番前の席に座

ったのが不運で、冷たいすきま風と排気ガスに苦しめられ、またもや風邪を引いてぐったり。ペリネ自然

保護区に到着したのは4時間50分後の午後8時50分だった。しかも霧雨なんか降っている。これから

ナイトサファリ?行きません!そんな元気ありません!洟水垂れてまーす!やはり風邪気味というS田

さんと仕事のある添乗員O田さんは残って夕食。温かいスープは有り難かったが、他は食べたくない。

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8月 2日(土) 朝は降ったり晴れたり 午後から晴れ

 ペリネ 「バコナロッジ」 ジュース、オムレツ、温かいフランスパン、クロワッサン、トースト、ジャム、

コーヒー

昨夜客室のバンガローに入ったのが午後10時半。今朝は8時過ぎに部屋を出たのがもったいない。こ

このバンガローは何とメゾネット式でベッドが4つもあり、冷蔵庫もあればヘアドライアーまである豪華さ

なのだ。他の国のホテルなら当たり前のことだが、マダガスカルにいるとそれが「有り難い!」「豪華!」

になっちまうのよね。ここ東部の山間部は一年中雨が降る土地で、しかも朝晩の寒さはハンパじゃない。

部屋にはヒーターがあったが、部屋を暖めるには力不足。昨夜霧雨の中を出かけられたナイトサファリ

組の成果は少なかったそうだ。朝食にフランスパン、クロワッサン、トーストが出て多くて食べられん! 

  

      続々と集まるエリマキキツネザル   正式にはシロクロキツネザルだよん             まさにエリマキである

   いたずら好きのブラウンキツネザル        おい!カメラの上に乗るな!       カンムシファカはチョーかわいい!

バコナロッジが運営しているレミューアイランドに行く。アイランドと言ってもカヌーで数メートル進むと到

着する。サル達が逃げ出さない、或いは外敵から守る池のようなものが手前にあるのだ。私達の姿を

見てか、白と黒のコントラストも美しいシロクロエリマキキツネザルが何頭も寄って来た。観光客=餌と

いう図式が出来上がっているらしい。但し空腹の時だけだが。餌はバナナだ。みな争って食べる。その

うちH間さんの奥さんの肩にサルが飛び乗った。驚いてのけぞったが、それを合図だったのか、次から

次へとサル達が私達グループの肩に乗る。H間さんのご主人は長いサルのカラダを首に巻いて「まさ

にエリマキだぁ!」とお喜びだ。島の奥に行ってみると、そこはブラウンキツネザルとカンムリシファカの

テリトリーであった。ブラウンキツネザルはお茶目でいたずら好き。人間の頭や肩を縦横無尽に飛び回

る。一度に2匹も当たり前!人の頭の上で2頭がケンカするわ、カメラに乗って勝手にシャッター押すわ

で、人間達は嬉しい阿鼻叫喚状態!誰しもが無邪気に楽しみ、サル嫌いのオジサンまで「かわいい」な

んてつぶやく。そんな元気なブラウンの傍らで、ただ一頭のカンムリシファカはおっとりとしていて安らぎ

をくれる。撫でられれば気持ち良さそうに目をつむり、連れて帰りたいぞ!楽しい夢のような島だった。

  

 餌の木の葉に手を伸ばすカンムリシファカ    これが最大のキツネザルのインドリ!後ろ脚でつかまってお尻がキュート

10時半、インドリサーキットに入る。ここには最大のキツネザルであるインドリが生息する。その体重は

7キロもあって、毎日12種類の葉を食べる必要があるので、大きな森が必要になる。マダガスガルに

は18の国立公園と数多くの自然保護区があって、こうした貴重な動物達を保護しているのだ。エラ

イ!そうしたところには必ず公認ガイドがいて、ここのガイドは女性の方であった。インドリを探して2時

間歩き回っても見つからないこともあると聞いていたが、私達は幸運にも30分で遭遇。遠い高い木の

上にいるので、望遠レンズを使ってもハッキリ映らず残念。暫くすると鳴き出した。凄まじい声!うぉー

ー!うぉーー!ギャギャギャ!サイレンのようだ。何頭も同時に鳴き大声コンテストみたいだぞ。この声

は3キロ先まで聞こえるそうだ。どういう意味で鳴いてるの?サル同士のコミュニケーションですって。

  

         パンサーカメレオンはカラフル!    手を合わせるウスタニーカメレオン      舌でバッタをつかまえた!

オレンジガエルとマンテラオレンテカガエルはチビ        トマトガエルの夫婦とクロメルル             トカゲだす

バスで2時間移動してカメレオンパークへ。疲れていたし、空腹でもあり見たくもなかったのだが、カメレ

オン小屋に入ってみると存外楽しいじゃないか。まずカメレオンが美しいのだ。それに種類も多いし、触

ってみるとゴム人形のようで。ゆっくりした動きも笑いを誘う。施設のスタッフがバッタを捕まえて棒で差

し出すと、素早く長い舌を出してバッタをゲット。緩慢な動きなのに、舌だけ機敏だ。コスタリカでも珍し

いカエルを見たが、ここにもいるねぇ。オレンジガエルとマンテラオレンテカガエルは1センチにも満たな

い小さなカエルだ。トマトガエルはメスの方が大きくて丸々太っている。クロメルルは、だんご虫である。

昼 カメレオンパーク トマトサラダ、チキンのカレー風味、ライス、パン、バナナ

  

丘の上にあるレストランで食事。周囲の山々が美しく見え、風も気持ちがいい。トマトサラダは美味しそ

うだったが、生野菜を食べてお腹を壊すものイヤだから食べず。メインのチキンが素晴らしく美味しかっ

た!カレー味でつつくとハラリと骨が取れる。付け合せのライスにスープたくさんかけてカレーにした。

夜 アンタナナボリ 「L‘HOTEL GREGORIA」 アミューズ:魚介類、カニのカクテル、パン、焼

      いた ロブスター、チョコレートムース、ビール、白と赤ワイン 計1万1000ar

  

    高級なシーフードレストランです

夕方アンタナナリボに着き、孤児院を訪問したが、何か手違いがあって後日また来ることになった。ホ

テルは旧ヒルトンのカールトンホテル。この町で最大ということはこの国で一番大きなホテルで、今のと

ころ一番高層ビル(14階だけど)。もちろん5ッ星だ。ホー、エレベーターがある。客室にはバスタブなん

かあるじゃないか!金庫もバスローブもあるぞ!なんてすっかり田舎者になってしまった。アハハ。今

晩は外のレストランで夕食。モロンダバで食べ損なったロブスターを食べにね。食べ放題だっていうし。

しかし、前菜のカニのカクテルでほぼお腹が一杯になってしまい、ロブスターもやっと食べた。満腹だ。

           _________________________

8月 3日(日) 晴れ

朝 アンタナナボリ 「カールトンホテル」 朝食ヴュッフェ

    マダガスカル風のお粥

朝起きてみると、気管支がゼーゼーゴロゴロしている。洟水止まらない。どうも行きの飛行機で引いた

風邪をAとすると、ペリネに行くバスの中で引いた風邪はB。今やAとBの二つの風邪が同居している

恰好だ。咳と疸と洟。キッタネーの。だが朝食は食べたい。具のあるオムレツ久々に食べた気がする。

昼 ホテルでルームサービス(グリーンアスパラのポタージュスープ、タリアテッレのトマトソース、

     パン @2万5500ar

  

    窓からの景色。天気いいね

今日は市場や土産物屋を回り、昨日の孤児院などに行く予定だ。しかし、咳も疸も洟水も止まらないし

行くか止めるか100回悩んだ。準備をして一旦集合場所のロビーに行くも、やっぱり止めよう。明日か

らまた長旅だし。午後1時、O田さんが手配してくれたルームサービスが来る。こんなにたくさん食べら

れんよ!味は悪くないが、凄い量で半分残した。昼食を食べた以外は、ずっと寝ていた。夕方バスタ

ブに湯を入れる。ずっとシャワーばかりだったから嬉しいな。夕食はどうしようか。宮廷料理らしいしね。

夜 無し!!!

観光から帰ったO田さんの話では、孤児院では日曜日のミサをやっていて、9000人参加したその数に

全員驚いたそうだ。何でもイタリア人ペドロ神父が寄付を募って孤児院を作り、卒院者のための住宅や

ホームレスの人々を集めて住宅を提供しているらしい。ミサにはそうした人々が集まって盛大なミサが

行われていたと聞いた。プレゼントも無事渡したそうだし、良かったね。結局、夕食も止めることにした。

え?明日出発は午前4時半?マダガスカル航空がオーバーブッキングしているって?それは大変!

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【今週の振り返り】

マダガスカルと聞いて、その場所を正確に言い当てた人は少ない。ヒジョーに少ない。ユーラシア大陸

とか、南アメリカとか、アフリカ大陸とかおおまかにもワカランと言う。しょうがないなぁ。マダガスカルは

ねぇ、アフリカ大陸の南東、インド洋に浮ぶ島だよ。島と言っても日本の1.6倍の大きさがある。グリー

ンランド、ニューギニア、ボルネオ島に次いで世界で4番目の大きな島だ。島の北の方にはセーシェル

諸島が、東側にはモーリシャス諸島が浮ぶ。アフリカの東海岸に面しているモザンビークとの間はわず

400キロしか無い。それじゃあアフリカみたいなものね、と考えがちだが、違う。アフリカとマダガスカ

ルでは、動植物に共通のものはごく僅か。すべての大陸がくっついていたパンゲア大陸の後、形成さ

れたゴンドワナ大陸(南アメリカ、アフリカ、オーストラリア、インド)時代でも、既にマダガスカルはアフリ

カ大陸から切り離されていたらしいよ。ま、そんな古いことは私もよくわからないけどさ。まぁこれも古い

時代、この島にはアジアのマレーシアやインドネシアから人々が渡って来たと伝えられている。だから、

「アフリカに一番近いアジア」と呼ばれることもある。

このマダガスカルを旅先として意識し始めたのは、2年半前のことだ。チェニジア旅行でとても親しくなっ

た方から、「9月にマダガスカルに行こう!」と強く誘われたからだ。彼女は、既にマダガスカルを旅して

いて2度目の旅を是非一緒にと誘ってくれた。トーゼン私は「マダガスカルの何がいいの?」と聞く。彼

女は「うーん」と遠い目をして、「何というかなぁ、空気かなぁ、風かなぁ、そうゆうマダガスカルの見えな

い何かが好きなの。虫もいるし、停電あるし、過酷だけど」と言った。結局、その年の9月はペルーに出

掛けてしまって、彼女の誘いはお受け出来なかった。しかし、その時から「いつか行くぞ!マダガスカ

ル」と思ってはいたのだ。

南の島というと、誰しも暑いと思うだろうが、島の南北を貫く山岳があり、首都アンタナナリボは標高

1250メートルの高地だ。朝空港に着いた時、余りに涼しいのでびっくりした。南部の内陸にあるベレン

ティも東部の山間地ペリネも、朝晩は震える位に寒かった。対して、西部のモロンダバは、海岸に近い

せいもあって暑かった。地形も気候もバラエティの富む国なのだ。今回行かなかった北部の、例えばヌ

シ・ベなどは高級なリゾート地として欧州人に親しまれている。この国の魅力はたくさんあるが、私は一

番に固有の動物の多さを挙げたい。レムール=キツネザルの宝庫である。原猿類という括りになるらし

いが、頭の良い日本猿のように悪さもしないし、何と言ってもかわいい。決して餌を与えず、但し危害を

加えないベレンティ保護区の在り方は、平和なヒトとサルの共存を可能にしていると思える。横跳びす

るベローシファカが安心して暮らしている姿を見るのは至福の時だ。

しかし、素晴らしい動物にも増して印象に残るのは子供達の姿。キャンディちょうだい、ボールペンちょ

うだい、とねだる子供達もいるにはいたが、ほとんどの子供達は、外国人が来たことを単純に喜んでい

る。澄んだ目でジッと見つめ、歓迎の手を振る。デジカメの中に自分の姿を見て、心底びっくりしている。

この子供達に平和な人生を送って欲しいと心から願った。

それを実現するには、マダガスカルにはたくさんの課題がある。農業国ではあるが、余りに貧しい。電

気、水道という社会的なインフラさえ、地方には無い状態だ。観光業に力を入れると聞くが、年間訪れ

る観光客は、欧米を中心に27万人。ホテルなどの設備が整っていないので、なかなか増えないらしい。

それに道路も問題だ。政府は道路整備に力を入れ始めたと聞くが、具合が悪い人まで出てくるような

悪路では腰が引ける。それに国営のマダガスカル航空!5回乗ったうち、ほぼ時間通りが1回、遅れが

3回、30分早く飛んでしまったのが1回。これでは、旅行社が日程つくりに苦労するのは当たり前だ。イ

ンド洋に浮ぶ島が素朴に美しいだけに、これからのマダガスカルに大いに期待したい。強くキビシク期

待したい。

             みなさーん、マダガスカルに来てー!ボクカメレオン

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