パクパク日記14年10月3週

       寒いコペンハーゲンから帰国。打ち上げあり、追善歌舞伎あり、敗戦あり・・・

   フレデリクスボー城 十八世勘三郎丈

10月 13日(月・体育の日祝日)  コペンハーゲンは雨  1デンマーククローネkr=約21円

朝 デンマーク・コペンハーゲン・ラディソンBLU 「カフェロイヤル」  朝食ヴュッフェ

  

  

           「ハムレット」の舞台として有名なクロンボー城は「世界の名城25選」にも選ばれている

先週北ドイツを旅した。意外と暖かかったのだが、昨日日曜日列車ごとフェリーに乗ってバルト海を渡

ってコペンハーゲンに来てみると、やっぱり寒いね。デンマークだから。その上朝から雨だ。コペンハー

ゲンはシェラン島にあるが、今日は北シェラン島の古城巡りに出かける。北に30`行ったバルト海のエーレ

スンド海峡に立つクロンボー城。もっとも「ボー」とはデンマーク語で「城」という意味だから、正確にはク

ロンボーだけでいいらしい。エーレスンド海峡は対岸のスウェーデンとわずか7`しか離れていない。

数年前コペンハーゲンからノルウェーのオスロまで船に乗った時、「ほら、あそこに見えるお城がハムレ

ットで有名なクロンボー城よ」と眺めたことがあったな。そう、ここはシェークスピアが書いた「ハムレット」

の舞台になった城なんですわ。実際にいたわけではなく、あくまでもモデルになったということで。狭い

海峡を通過する船から通行税を徴収する目的で15世紀築かれた砦が城の始まりで世界遺産である。

昼 コペンハーゲン近郊 「BLOBSTROS BRO」 スモークハムとメロン サラダ添え、白身魚のフラ

イ、コーヒー

 

         美しいフレデリクスボー城        豪華な衣装も展示されている           宮殿内の教会

       非常ベルが鳴り、すわ火事か!             人魚の像                 「新しい港」の意ニューハウン

ランチのメインは平目のフライだった。どデカイフライが3つも!旨いがこんなには食べられん。もった

いないが、半分残す。午後はフレデリクスボー城へ。朝行ったクロンボー城は男性的な堅牢な感じだっ

たが、ここは優雅なルネッサンス形式で印象は対照的だ。元はフレデリク2世によって建設が始まった

ので城の名前はフレデリクスボー城だが、実際はその息子クリスチャン4世の居城として建築された。

スカンジナビアで最も大きなルネッサンス形式の宮殿で中は優雅そのもの。「へぇ〜、豪華じゃん!」と

感心して見物していたら、突如非常ベルが鳴り響いた。ガイドは「見学者がどこか触ったんじゃないか

な。何かあったら係が来るでしょ」と意に介さず、そのまま説明を続ける。非常ベルは鳴り止まない。い

いのか、このままで!暫くすると係のオジサンと消防隊員が来て、「すぐ逃げろ!」。ほら、言わんこっち

ゃない。こっちは膝悪いのだから、走れと言われても困るんだよね。消防団員達と擦れ違う。螺旋階段

を延々下りてようやく外に出てみると、あちこちにいた見学者が避難していて心配そうに城を見上げて

いる。185912月に火事を出してこの城の内装が殆ど焼失したことあったそうだし。後刻わかったこと

は工事作業員のミスで非常ベルが誤作動したのだそうだが、無事でよかったよ。市内に戻って、お約束

の人魚の像やニューハウンを見学し、歩行者天国ストロイエでフリータイムとなった。「ロイヤルコペン

ハーゲン」や「ジョージ・ジェンセン」を一周し、疲れたのでデパートのソファを見つけ本を読んで過した。

夜 コペンハーゲン・ラディソンBLU 「カフェロイヤル」 (自由食) ポテトスープ ベーコンンとライブ

レッド 85kr、タリアテッレクリスピー野菜とパルメザンチーズ 165kr、カールスバーグビール 

68kr、白ワインシャルドネ 58kr、赤ワインカルビネ・シラーkr 計チップ込みで480kr

  

外は嵐のような強い雨になった。今夜の夕食は自由食。中華もいいなぁ、なんて思っていたのだが、こ

んな天候では外に行く気にならん。じゃ、ホテルのレストランで食べよう。泊まっているホテル、ラディソ

ンBLUは中央駅の正面に位置している。ということはチボリ公園の入口が雨の向こうに見えるのだよ。

世界的にも有名な公園だが、私は一度も行ったことがない。もっとも私は東京ディズニーランドでさえ、

一度も行かない人間だから。このレストランの料理は何でも濃厚だ。ポテトスープにもベーコンンとライ

ブレッドがたっぷり入っているし、タリアテッレにはパルメザンチーズがたっぷり。つまりクドイってこと。

大ビールと白ワイン、赤ワインの3点セットも飲んだが、これで1万円近い夕食。北欧は物価高い!

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10月 14日(火) コペンハーゲンは曇り 寒い!

朝 コペンハーゲン 「ラディソンBLU」 朝食ヴュッフェ

     

昼 コペンハーゲン駅近く (自由食) 「ASTOR DEEP PANPIZZA」 トマトスープ 42kr、スパゲ

ティミートソース 72kr  

  

              アツアツのトマトスープとオーブンで温めたパンが旨い!                 クローズだった「べんとう」

帰国日の今日は午後145分の集合までフリー。ゆっくり朝ご飯を食べてから、オーガニック食品を

扱う高級スーパーに行く。お土産を買うというより、ドイツクローネを使い切るため。店内をジロジロ見た

結果買うことにしたのは、オーガニックチョコ。これが高いのよ。ちょっと大きめの板チョコが2千円を悠

に超える。それを3枚と小さなチョコ3枚で8千円近くのクローネを支払った。パッキングをしてクローク

にスーツケースを預けてから町をぶらぶら。遅いランチは日本食がいいなぁとネットで調べた店を探し

当てたのだが定休日でも無いのにクローズ!チェッである。近くの「寿しNIBON」なんて入る気しない。

代わりに安っぽいピッツァ屋に入ってスープとパスタを注文したら、意外とイケルのだった。さぁ帰ろう。

午後の軽食 ルフトハンザ航空 コペンハーゲン=ミュンヘン 機内食(サンドイッチ)

午後のお茶  ミュンヘン空港 ルフトハンザ航空セネターラウンジ コーヒー

遅い夜 ANA ミュンヘン=羽田 ビジネスクラス機内食(和食)

  

  

コペンハーゲンからルフトハンザ航空でドイツのミュンヘンへ。ANAに乗り継いで羽田空港まで帰って

来たのだが、コペンハーゲン空港でのスカンジナビア航空スタッフ達の感じの悪さ・態度の悪さにはビ

ックリ!日本の会社であんな態度だったら、総スカン食って即職場失っちゃうわなぁ。国民性の違い?

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10月 15日(水) 東京は雨

昼 ANA ミュンヘン=羽田 ビジネスクラス機内食 サラダ、「一風堂」とんこつラーメン、フルーツ

   機内はとんこつ臭!

ミュンヘンからのフライトは出発時間が遅かったので、遅い夕食が終わると機内はお休みタイムとなっ

た。あまり眠れないまま読書して過す。ANAビジネスクラスの機内食。好きな時間にそれぞれが注文

する2食目以降はチーズ盛り合わせ、サラダ、うどん、スープ、丼ものなどアラカルトが揃っているが、

一番人気はラーメン(たぶん)。「一風堂」のとんこつラーメン「そらとん」である。これが臭い!とんこつ

が苦手の人間にはこの臭いがなぁ。と言いながら食べた。たぶん2回目。午後4時頃羽田空港到着。

夜 四谷三丁目 「仙水」 お通し:白だつと浅利、新銀杏、鰤の照り焼き、海老芋揚げ、鰯のつみれと

きのこの小鍋仕立て、雑炊と漬け物、生ビール×2杯、麦焼酎ボトル

     

  

  

タクシーで帰宅。羽田空港は近いから嬉しい。ただいまー!今回の留守中姪のカオルが来てくれたか

ら、溜まった段ボールや古新聞などはキレイに片付いている。カオルちゃん、ありがとねー。洗濯して旅

行で撮影した写真をパソコンに取り込んでと。洗濯物を干せば当座の今日の仕事は終わった。さぁ、飲

みに行こう。遅くなった夕食は「仙水」で。鰯のつみれが好きだ。きのこも小鍋も好き。だから、鰯のつみ

れときのこの小鍋仕立てがメニューにあれば注文する。旨い。麺好きだが、今夜は雑炊。これも旨い!

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10月 16日(木) 晴れ 今年一番の冷え込み  富士山初冠雪

朝 無し

昼 家食 卵トーストサンド、サラダ、卵トーストサンド、「永谷園」生姜とん汁、ユーグレナヨーグルト、バ

ナナ

  

結構いい年になっているのに毎月1、2回海外旅行に行っている。帰国日もフツーに飲みに行き、フツ

ーに夜更かしし、翌日もフツーに起きる。時差ボケなんかしない。海外から帰って来ると数日はぐった

り・・・なんて人もいるようだが、気がしれない。今朝もフツーに起きて、フツーに朝ドラ「まっさん」を観て

フツーにシャワーを浴びる。朝食を食べなかったので、早めの昼食を家食で。今朝は今年一番の冷え

込みというのでカラダが温まる「永谷園」生姜とん汁を食べた。午後1時来客あり。珍しく頭を使った。

夜 荒木町 「四谷うえむら」 1万5千円コース(八女の茶豆胡麻和え、甘鯛と房州の黒アワビの飯蒸

し、お造り:鱧・本マグロ・ぼたん海老・(赤貝)、名残りの松茸と鱧のお碗、山形第8長寿丸1本釣

り鰆と生ウニ餡かけ 加賀蓮根敷き、浜名湖天然鰻、穴子丹波栗蒸し餡かけ、鱧しゃぶ、天然舞

茸の鱧巻き、食事:いくら丼・香の物・赤出汁、洋梨とフランボワーズバニラ)、ビール、麦焼酎トリ

プル×3杯 2人で4万8000円

  

  

  

午後はパクパク日記の作成に集中した。出かける前にかなり作っておいたので夕方には完成してアッ

プした。はぁ〜、1ヶ月の遅れを取り戻せそうも無い・・・。夜7時A先生と「四谷うえ村」で待ち合わせ。

今日も高級食材をふんだんに使った手間のかかる美味しい料理が待っていた。鱧も松茸も名残りです

なぁ。特に印象に残った料理は、山形第8長寿丸1本釣り鰆と浜名湖の天然鰻。あっ、それと穴子の丹

波栗蒸し餡かけも美味しかった!今年松茸と栗に恵まれた嬉しい年だった。いくらがプチッと弾けた。

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10月 17日(金) 晴れ

朝 家食 卵とハムのトーストサンド、野菜サラダ胡麻ドレッシング

昼 歌舞伎座にて 持参の弁当(ふすまパストラミドッグ)、バナナ

  

ふすまドッグパンにパストラミビーフを挟んだだけ(芥子はた〜っぷりね)のお弁当持って歌舞伎座に行

く。今月の歌舞伎座は十七世中村勘三郎の二十七回忌と十八世勘三郎の三回忌の追善公演である。

勘九郎と七之助の話によると、父親の勘三郎は十七世の二十七回忌公演をやりたいと常々語ってい

たそうだが、まさか自分の三回忌が一緒になるなんて思ってもみなかっただろうと。そうだよねぇ、ファ

ンの誰だって考えていなかった。ご本人も。昼の部は「新版歌祭文 野崎村」から。初々しい七之助の

お光に対して久松が扇雀ではなぁ。キャストにムリがあるが、それが歌舞伎だ。「近江のお兼」と「三社

祭」の所作事2題。昼最後は「伊勢音頭恋寝刀」。福岡貢に勘九郎、油屋お紺を七之助、油屋お鹿に橋

之助、仲居万野玉三郎、料理人喜助を仁左衛門。悪仲居万野を演じる玉三郎の小憎らしさが秀逸!

中村屋三代に仕える94歳の小山三が仲居役で元気な姿をみると、十八世の不在を改めて悲しく思う。

夜 荒き町 「和食 こんどう」 (2人で)先付け:豆乳大和芋豆腐ウニ鼈甲餡、かにとアボガドサラダ、

お造り:カマス・鯛・マグロ・鰆・クエ、金目鯛味噌漬け幽庵焼き 焼き松茸添え、飛騨牛と松茸の小

鍋仕立て、大山鶏竜田揚げ、チーズ味噌漬け、舞茸卵稲庭うどん、生ビール×2杯、麦焼酎ダブ

ルロック×3杯 2人で2万9100円

  

  

  

昼の部が終わったら急いで帰宅。夕刻から税理士のK先生が来社される。1ヶ月分の伝票整理する。

私の個人事務所も1銭も稼がないまま11期の決算を終えた。今日の打ち合わせが終了したら、先月

終わった決算の打ち上げに行く予定だ。K先生も大きな事務所に移られて忙しそうだ。6時「和食こんど

う」のカウンター。この店ではコースが大人気だが、K先生の希望を聞きながらのアラカルト。金目鯛味

噌漬け幽庵焼きには焼き松茸が添えられ、次の小鍋には飛騨牛と共に松茸が入っていた。贅沢!!

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10月 18日(土) 晴れ

朝 家食 豚汁、パストラミふすまサンド

昼 恵比須「かつ彩」 牡蠣フライとやわらかひれ勝つ(麦ご飯半分) 1609円

    明日勝つんだよ!

恵比須で今日もカレーを食べようと思っていたが、スンでのところで明日が試合だということを思い出し

て店を変更。ひれ勝つと牡蠣フライのセットにした。刻んだキャベツは山盛りをお替り。こんな太るもの

を食べて必勝祈願しているんだから、明日頼むよ。携帯電話にメールが来ていることに気づく。アッチャ

ー!これから向おうとしていたアーユルヴェーダの施術担当のS戸さんからだった。北海道のお母さま

が今朝亡くなったので帰郷するという内容だった。私が家を出る前に来ていたのに気づかなかった。お

悪いとは聞いていたが、容態が急変したようだ。必要なものを買い揃えてお店にお香典を届けに行く。

午後のお茶 恵比須 「スターバックス」 アイスコーヒー

夜 荒木町 「松庵」 北海道イクラおろし柚子の香り、イカの養老和え、海老芋銀杏揚げ 食用ほうず

き添え、湯葉とマスカルポーネ、舞鶴の小甘鯛、五島の鯖、愛知鰯の刺身、鰯のつみれと松茸吸

い物、蕎麦せいろ(大盛り)、柿、生ビール 2杯、麦焼酎「加江田」ボトル 6千円 

@1万8360円(現金のみ)

  

  

そんなことで午後の時間がぽっかり空いた。こんな時は、ずっと欲しいと思っていたカメラを買いに行こ

う。ビックカメラに行こう。たいていのもの(何と人生で最初に買ったマンションもそう。恥かしい)は衝動

買いして来た私だが、リコーGRは半年前にパンフレットまで貰って来たのに、それをジロジロ見ている

だけで買っていないのだった。理由?わからん。ビックカメラのカメラ売り場担当者に受けた説明は難し

くてさっぱり理解出来なかったが、ズーム機能が付いていないということはわかった。でも買った。何と

なく嬉しい。膝が痛いので実際は出来ないが、心の中だけでスキップして帰宅した。夕食は蕎麦会席料

理も出来る「松庵」に行った。前回はA先生とコースを食べてとても美味しかったが、今日は1人で予約

もしていないから蕎麦前3800円でも頂こうか。と思ったら、ご主人の松丸さん「何でも作りますよ」って。

ならばと、「美味しいものどんどん出してね」。という具合で、あれもこれもとたくさん頂いた。どれも美味

しい。〆蕎麦。「あのー蕎麦の量ですけど・・・」「少なめですね」「いえ!大盛りにして下さい」「ひえっ」。

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10月 19日(日) 晴れ

朝 家食 「さぼてん」のやわらかヒレ勝つふすまパンサンド、キャベツ

昼 横浜スタジアムスタンドにて 「さぼてん」のやわらかヒレ勝つふすまバーガー、バナナ、お茶

  

朝食にひれ勝つサンドを食べ、念のため弁当もヒレ勝つバーガーにして横浜スタジアムに向う。今秋の

りーグ戦は、何だかんだと行かれないことがあり、第一ステージでは最終戦になってしまった。これまで

の4戦はもちろん全勝で、特筆すべきはディフェンス(守備)の強さ。オフェンス(攻撃)が4試合合計で2

34点の高得点をマークすれば、守備チームが失なった点はゼロ!4試合完封勝ちなのである。だから

安心して観ていた。ところが。結果はまさかの敗戦。17対23だった。第一ステージでの敗戦って5年ぶ

り?エースQBが出場していなかったことが攻撃の不調原因だが、守備まで23点奪われるなんて!!

夜 舟町 「舟町一期」 お通し:南蛮漬け、フレッシュトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ 750円、

         加茂ネギ水餃子 880円、松茸土瓶蒸し 1800円、海老真丈サンド揚げ 780円、栗の天ぷら 

          750円、温かい稲庭うどん、生ビール 2杯、麦焼酎「黒坊主」ボトル @1万3300円

  

  

アメフットチームは現在4年連続日本一を誇っている。つまり4連覇中で、前人未到の5連覇を狙うのが

今期の目標。今日負けても、第二ステージの試合日程がやや不利になるだけで、大勢に影響は無い。

むしろ「勝ちボケ」意識を捨てて改めて緊張するためには良かったかも、と思うことにする。遅い夕食は

「一期舟町」。ご主人は中年になってから初めて息子を持って嬉しそう。メニューに松茸の土瓶蒸しと栗

の天ぷらがあったので、嬉しくて注文。特に栗の天ぷらはほっこり旨いなぁ。幸せ気分になりましたぁ。

                  ______________

【今週の振り返り】

大正時代が始まったばかりの頃生まれた母の世代にとって、女性歌手と言えば、並木路子、笠置シヅ

子、美空ひばりや大津美子、島倉千代子などだった。男性歌手では藤山一郎、岡晴夫、春日八郎、三

橋美智也、フランク永井というところか。ザ・ピーナッツや石原裕次郎などは母達にとっては眩ゆ過ぎる

存在だったのではないか。働き者で堅実な性格なのに意外にも「面食い」だった母は、ラジオで聞く三

橋美智也の声に魅せられて大ファンとなった。地方家庭でもテレビが普及し始めると我が家は近所で

もいち早く購入したが、テレビ画面で三橋美智也を観てから、母の熱は一気に冷めたようだった。この

「面食い」がために、母は父を結婚相手に選んで大失敗したんだけどね(苦笑)。

俳優はと言えば、当時は時代劇全盛期。田村正和のお父さんの坂東妻三郎、北大路欣也のお父さん

の市川右太衛門や長谷川一夫、片岡千恵蔵、大川橋蔵などがの人気が高かったし、現代劇では中井

貴一のお父さんの佐田啓二や三船敏郎(時代劇も多かった)、宝田明、小林桂樹だったかなぁ。女優は

田中絹代とか山本富士子、岡田茉莉子、岸恵子、司葉子とか。

テレビ局が増えてくると、「役者不足」を招いたのか、歌舞伎や新派、新劇劇団からも出演する人達が

増えて来た。新派からは初代水谷八重子や花柳章太郎、大矢市次郎、伊志井寛など。伊志井寛が同

じく新派に所属していた京塚昌子と夫婦役を演じた「カミサンと私」は東芝日曜劇場の人気シリーズで、

母は日曜夜9時を楽しみにして観ていた。新劇からは滝沢修、寺尾聡のお父さんの宇野重吉、杉村春

子、奈良岡朋子、栗原小巻、樫山文江などがいわゆる「外部出演」していた。

歌舞伎界からは、初代松本白鸚(八代目幸四郎)が池波正太郎原作の「鬼平犯科長」で初代長谷川平

蔵を演じた。初代というより池波さんは八代目幸四郎をイメージしてこのシリーズを書き始めたらしい。

彼の後は丹波哲郎、萬屋錦之助が演じ、4代目長谷川平蔵は白鸚次男の二代目市川吉右衛門が演

じている。余談だが、私は当代吉右衛門が一番長谷川平蔵らしいと思う。初代松本白鸚の長兄は市川

宗家に養子に行って十一代市川團十郎(海老蔵の祖父だ)を襲名するが3年後に急死。市川宗家の名

代も勤めた弟の二代目尾上松緑はテレビドラマ出演にも積極的だった。「半七捕物帳」や大河ドラマ

「花の生涯」などで主役を務めて、生の歌舞伎舞台など一度も観たことが無い母など主婦達との距離を

ぐんと縮めた俳優でもあった。

十七世中村勘三郎もその一人。生涯800を超える役を演じてギネスブックに載るほど芸域は幅広かっ

たが、歌舞伎界に捉われず映画やテレビにも出演した。ホームドラマも出演したし、探偵役にも取り組

んだ。大河ドラマ「新・平家物語」では平清盛の父親・平忠盛を演じ、このドラマには娘の波野久里子も

祇王役で、息子の勘九郎(十八世勘三郎)も敦盛役で出演していた。78歳で亡くなった十七世中村勘

三郎も今年二十七回忌を迎えたが、17歳で敦盛を演じた息子の十八世中村勘三郎の三回忌追善公

演が同時に開催されていることを知ってあちらの世界で腰を抜かされているのではないか。あぁ、あっ

ちで息子も一緒だから驚かないということか。

嫁にも行かなかったし、孫を見せることも出来ず、親孝行らしいことは殆ど出来なかったが、母の憧れ

だった歌舞伎座に数回一緒に行った。生の歌舞伎座の舞台で、かつてテレビのブラウン管の向こうに

いた八代目幸四郎(白鸚)や二代目松緑、そして十七世中村勘三郎が演じる歌舞伎を目を輝かして観

ていた母。歌舞伎座に数回、国技館に数回、そして一度だけの日光1泊旅行。これだけが、娘の母親

孝行であった。2人の勘三郎の追善公演を観ながら、そんなことを考えていた。

アメフットチーム。日曜日は負けてしまったけど、起死回生でぐわんばって貰おう!

                   ちっ!負けちゃって

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