パクパク日記16年9月2週

              那須高原で3泊過ごし、週末は友人達とホテルで中華!

 

   歌舞伎座秀山祭  那須高原

9月 5日(月)晴れ

朝 家食 具だくさんきしめん(魚河岸揚げ・じゃこてん・卵・三つ葉・茗荷)、プチトマトサラダ

 

  

 

昼 無し

午後のおやつ 焼き菓子、ヨーグルト、コーヒー

 

 九月歌舞伎座は秀山祭

 

「今日の朝食はきしめんだ!」と思い出した途端、パッと起きた。いい年してこうだから、自分なが

らイヤになっちゃうよ。この分では死ぬまでこんな自分なのだろう。その具だくさんのきしめんに満

足したからか昼は抜いた。9月歌舞伎座秀山祭の夜の部に行く。初代吉右衛門の功績を顕彰し芸を継

承するために俳号秀山を冠しての秀山祭も今年で10周年。夜の部の最初は、昼夜を通じて秀山祭ら

しい芝居「吉野川」。「妹背山女庭訓」の三段目だ。両花道が設けられ、右が吉右衛門演じる大判事の

屋敷がある背山、左側が玉三郎の定高の住まい妹山で間には吉野川が流れている。つまり、私なんぞ

は吉野川のど真ん中に座って、左右の家のドラマを観るという恰好だ。一言で纏めれば、禁断の愛を

貫いた若きカップル(大判事の息子と定高の娘)が暴君蘇我入鹿の犠牲になって命を落とす話だ。親

である大判事と未亡人定高の深い悲しみと和解が激流の吉野川を挟んで演じられ、観る者の涙を誘い

まくる。「もう暫くはこんな舞台は観られないだろう」という吉右衛門と玉三郎の名演技を堪能した。

また、背山側の浄瑠璃・竹本葵太夫と慎治、妹山側の竹本愛太夫と淳一郎の力演に素晴らしかった。

次の「らくだ」。染五郎の久六、松緑の半次、亀寿の駱駝だったが、同じ役を勘三郎、三津五郎、亀

蔵が演じた時に比べると面白さ、可笑しさは5分の1位だった。特に松緑の台詞回しがなぁ。最後は

「元禄花見踊」で玉三郎を中心に大勢でパ――っとね。今夜は珍しくA先生とマキコと3人で観劇。

遅い夜 銀座三越「老四川 飄香」(3人で)百味鶏コース8100円(冠地鶏の香り茹で二種のソース

で、冷菜六味竹盆、鶏のふわふわフカヒレスープ、鶏軟骨入り天使海老のスパイシー串、十八種

のスパイス香る飄香特製パリパリスモークチキン、黒トリュフ入り鶏スープたっぷり霧島黒豚の

焼き餃子、激辛四川山椒の痺れ鶏、空芯菜炒め、陳麻婆豆腐とご飯、杏仁豆腐と中国茶)、生ビ

ール、麦焼酎ボトル  3人で37800

 

 

後日知ったのだが、歌舞伎座3階からIマリちゃんが下を見ていたら、2列目の客が突然傘を差した

のだそうだ。ビックリして周囲を見たらその斜め前の最前列に座っている私を発見したのだそうで。

連れがいるようだから声をかけなかったって。声をかけてくれれば一緒に食事に行ったのに。「三越」

レストラン街の「老四川 飄香」を予約している。このメンバーで来るのは3回目だ。何げなく注文

したのは百味鶏コースという鶏料理が続くコースだった。焼き餃子と激辛四川山椒の痺れ鶏が旨い。

陳麻婆豆腐も相変わらず痺れて旨いぞ。「飄香」(ピャオシャン)は本店が麻布十番で井桁さんの店だ。

               _____________

 

9月 6日(火)晴れ

朝 家食 具だくさんきしめん(魚河岸揚げ・じゃこてん・卵・三つ葉・茗荷)、プチトマトサラダ

 

   今日も朝からきしめんだがね

 

昼 銀座・東急プラザ「うなぎ徳」うな重(松)3888

 

  

 

午前10時半銀座のクリニックへ。初診だったが、渋滞にはまって2分遅刻しちまったよ。札幌で耳

よりな話を聞いたことから、札幌のミカちゃんが調べてくれた膝専門のクリニック。早速資料を請

求して今日の初診となった。先日人間ドックを受けた四谷の病院で特別に撮影して貰った両膝のレ

ントゲン写真持参だ。膝痛や服用薬、既往歴などいろいろ聞かれるから、こちらもこのクリニック

の治療方法についてあれこれヒアリング。ドクターとの面会時間もたっぷりだった。それじゃお願

いしましょうか、と「すぐ決める」夢子。内金で10%支払って、ついでにヒアルロンサンの注射を

ブチューとして貰った。手術の日を決めて失礼する。もう昼ドキだ。「うなぎ徳」で甘いタレの鰻重。

夜 那須高原・東急ハーヴェストクラブ那須「光彩」料理長おまかせ会席1800円(先付、鱧と松

茸のお椀、お造り:中トロ・鯛・アオリイカ・シマアジ、秋茄子と鰊の旨煮、カマスの柚庵焼き、

鱧・松茸と小蕪の玉〆、食事:栗ご飯・赤出汁・香の物、フルーツ、カモミールティ)、エビス

生ビール810円、麦焼酎「おこげ」(大分県)4860

 

  

 特に美味しいと感じないコースだった

 

タクシーで東京駅。東北新幹線に乗ること72分で那須塩原駅に到着。そこから車内で予約したホテ

ルの送迎バスに揺られること35分。ようやく今日からの宿・東急ハーヴェストクラブ那須に到着し

た。ハーヴェストクラブの会員になってずいぶん経つがこの施設は初めてだ。4号棟まであるのね。

4号棟はペット連れ専門らしい。コテージも幾つかある。天然温泉の大浴場もあるが、先ほどヒアル

ロンサンの注射をしたので、本日は温泉禁止!夕食は、和食コース、洋食コース、ヴュッフェの3

からの選択。予め和食の料理長おまかせ会席を予約してある。生ビールの後は麦焼酎「おこげ」ボト

ルを取って自分好みの極濃水割り(人はロックと言うが)を作ってグビグビ。料理コースは特に印象

に残るものは無いな。食事は炊き込み栗ご飯。が、栗ご飯のお替りは15分待っても来ないのだった。

              _____________

 

9月 7日(水)晴れ 岩手県で水害続く

朝 那須高原・東急ハーヴェストクラブ那須「みのり」朝食ヴュッフェ 1944

 

  

 

昼 那須高原・那須国際カントリークラブレストラン 那須郡司豚ロースカツカレー(サラダ付き)

1674円、アイスコーヒー432

 

ランチは隣のゴルフ場レストランで    2時間みっちりリンパ流しのエステ       那須高原の眺め

 

朝食ヴュッフェの内容はまずまずだった。全国26ヶ所(だったかな)の東急ハーヴェストクラブ

だが、大型連休、夏休み、年末年始といったピーク時以外ランチサービスが無い。町中の施設なら

それでも問題は無いのだが、車が無い人間がポツンと離れた場所に泊まる時は結構悩ましい問題と

なる。昨日チェックインする時フロントで聞いたところ、「売店で販売しているものか、隣のゴルフ

場のレストランをご利用下さい」とのこと。で、今日散歩がてら行ってみたのだよ。大昔私も何回

かこうしたゴルフ場レストランで食事をしたことがあるが、この日「非ゴルファー客」は私一人だ。

1674円のカツカレーを食べたが、美味しいとは言えないカツは2切れ残したし、カレーもちっとも

辛くない。チョイがっかり。明日昼用にメンチカツを揚げて貰ってオミヤにする。カレーがこなれ

た頃、エステに行く。リンパの流れが悪くいつも足は浮腫んでしまう。そこのところを時間かけて

流してちょんまげとお願いした。すっきりした頃は大浴場もオープン。10秒程温泉に浸かったよ。

夜 東急ハーヴェストクラブ那須「みのり」夕食ヴュッフェ4860円、エビス生ビール810円、麦焼

酎「おこげ」の残り

 

  

 

今夜の夕食はヴュッフェだ。朝ならともかく、夕食のヴュッフェは何か情けなくてサビシイ。だから、

なるべくなら避けたいところだが、3泊するのでそうもいかなくてね。しかし、行ってみると、ビール

のつまみ用に大好きオニオンリングがあるし、カレーも蕎麦もあるので、どんどん機嫌が良くなって。

昨夜の焼酎ボトルの残りもあるし。昼もカレー夜もカレーそれだけで上機嫌になる自分はどうかと思う。

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9月 8日(木)土砂降りの雨 リオパラリンピック開会式

朝 那須高原・東急ハーヴェストクラブ那須「みのり」朝食ヴュッフェ 1944

 

  

      今日は早朝からざんざん降りの雨が降っている。昼も午後も夜もずっと雨なのだった

 

 東急ハーヴェストクラブ那須客室にて 那須国際カントリークラブレストランのメンチカツ、釜

炊きおにぎり500円、味噌汁

 

  

 

朝から笑ってしまう程激しい雨が降っている。あまりの激しさに30分起き位に本を読むのを中断して

雨を眺めたりしている。こんな日どこにも行かないで済むって幸運だ。昨日ゴルフ場レストランから

買って来たメンチカツは、自動販売機場にあるレンジで温めた。売店で季節限定販売の釜炊きおにぎ

りと味噌汁でカンタンランチとした。この釜炊きおにぎりはよほど力持ちが握ったのか硬くてねぇ。

夜 東急ハーヴェストクラブ那須「光彩」フレンチコース8100円(アミューズ:茄子豚のシードル

煮、水蛸のカルパッチョ 水菜と根野菜のサラダ仕立て梅肉風味ドレッシング、岩ノリのフラン

とムール貝のスープ、真鯛のココット焼きアンショワ風味のジュ、巨峰のシャーベット、霧降高

原牛フィレ肉のソティ(50g増量+2160円)、ヌガーグラッセ、プチフール、カモミールティ)、

エビス生ビール810円、赤ワイン「オーパスワン」2010年 43200

 

  

 

午後3時大浴場オープンと同時に温泉に浸かった以外は、本を読み、雨を眺める一日だった。たまに

はこんな過ごし方の日も良いものだ。3泊した最後の夕食はフレンチコースを予約している。最終日

だから奮発して「オーパスワン」2010年を飲んでしまおう。若いスタッフのために2杯分程はプレ

ゼントした。一昨日の和食に比べ今夜の洋食コースは余程いい。特にスープと牛のソティがグッド

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9月 9日(金)晴れ  今日は重陽の節句

朝 那須高原・東急ハーヴェストクラブ那須「みのり」朝食ヴュッフェ 1944

 

  

     素晴らしい晴天で、気持ちの良い那須高原の朝。突然声をかけられる

 

昨日の激しい雨が嘘のように晴れた。素晴らしい晴天である。今日は帰る日なんだけどね。朝食レ

ストランで背後で呼ぶ人がいる。「夢子さん?夢子さんですよね」。ドキッ!だ、誰だ。こんな所で

私の名を呼ぶのは・・あれ、誰だっけ。会ったことがあるけど・・「私ですよ、福岡のN宗です!」

あぁ、数年前フランスでご一緒しましたね。高校の同級生とご一緒でしたね。福岡にお住まいなの

にご主人とわざわざ那須まで来られた由。ドライブに誘われたが、帰京後に来客もあるので、また。

昼 東京大丸「サバティーニ・ディ・フィレンツェ」本日のスープ(コーンクリームスープ1080

円、国産牛100%ボローニャ風スパゲティ1836円、アイスコーヒー648

 

  

 

夜 荒木町「鈴なり」2人で)特別コース1万5千円(落花生豆腐生ウニのせ、毛蟹甲羅詰め、八寸

  白イカ・衣かつぎ・鮑・秋刀魚鮨・揚げ銀杏・鴨と春菊・干し子など、生ウニ入り玉地蒸し、お

  造り:ヒラマサ・白イカ・鯛・本まぐろ、子持ち鮎の揚げ物、(松茸などの煮物パス)、(鮭といく

  らの炊き込みご飯)、赤出汁、デザート:抹茶最中と長野パープルマインマスカット)、生ビール、

  麦焼酎 2人で38410

 

  

 

恒例東京駅ランチは、珍しく「サバティーニ」に行った。ここは大丸が建て替える前からテナントで

入っていた店だ。値段に味が追い付かない印象。帰宅して洗濯しながら、税理士先生が夕方来られる

のでその準備をする。打ち合わせの後「鈴なり」で13期の決算お疲れさま会。会社設立以来一度も

仕事をしていない会社も13年経って、今は14期。活動していないのに何で会社やるん?そうなん

だよねぇ。わからないままずるずると・・。止めるのもメンドーで。それはそれとして、K村税理士

先生にもいろいろと相談に乗って頂いていて助かっている。3品目の皿数の多い八寸で、既に満腹感

を感じ始め、お造りを食べ終わった頃には完全に降参状態。それまで私の分も食べてくれていたK村

先生も苦しそうだ。子持ち鮎の揚げ物や炊き込みご飯などテイクアウト出来るもの以外はパスした。

今やテレビでもお馴染みの店主村田さん「張り切り過ぎたかなぁ」って。小食になってしまったよ。

             ____________

 

9月 10日(土)晴れ  広島カープ25年ぶり7度目の優勝!

朝 家食 「鈴なり」の子持ち鮎揚げ、漬物、鮭といくらの炊き込みご飯おにぎり、味噌汁

 

  

 

昼 四谷三丁目「東京風月堂」野菜ゴロゴロチキンカレー(サラダ、ドリンク付き)1188円、ベジ

タブルミックスジュース648

 

  

 

昨夜情けないくらいに早くギブアップしたお陰で、今朝は「鈴なり」から包んで貰った料理で豪華な

朝ご飯を頂いた。美味しい!K村先生宅でも同じものを召し上がっている筈だ。8月2週のパクパク

日記を仕上げてアップしする。あらら〜間違いだらけだぁ・・。アップする前に1回読み直さないと

ダメじゃんさ。う〜ん、こうゆう性格だから治らん。遅いランチを摂りに出かける。暑いぞ!こんな

日はカレーだ。野菜ゴロゴロチキンカレー。以前じゃが芋が多かったが、今日はブロッコリーだらけ。

夜 舟町「無門」お通し:甘長唐辛子のジャコ煮、だだ茶豆の塩茹で680円、穴子の天ぷら1500円、

黒豚の旨辛豚炎鍋2300円、雑炊400円、生ビール2杯、麦焼酎「佐藤」ボトル @1万4900

 

  

 

今日は暑い。こんな日の夕食はブーヒー鍋だ。最初はブービー鍋だったが、いつの間にか豚炎鍋、そ

して今は旨辛豚炎鍋とメニューに記載されている。この鍋が登場してから、食べなかったのは僅かに

2回という私には必須アイテムなのだ。普通は鍋の後、沖縄そばを入れるのだが、1年程前雑炊にし

てみたらムチャ旨くて、以来ずっと〆は雑炊だ。「無門」から帰ってテレビをつけたら、まさに広島

カープが優勝する場面だった。苦節25年。四半世紀ぶりのリーグ優勝だって。ほとんどの選手、コ

ーチ達は経験の無い優勝。どうやって喜びを表現して良いのか戸惑っている様子も好ましい姿だね。

              ____________

 

9月 11日(日)晴れ  あの「9・11」から15年

朝 家食 サッポロ一番塩ラーメンのタンメン風那須の燻製卵入り、大粒納豆

 

  

 

昼 無し!

逮捕されてから「高畑容疑者とその母親」と騒ぎ立てたマスコミだが、一昨日不起訴となって釈放さ

れると、途端に「高畑裕太さんは・・」って態度がガラリと変わった。誰に言ったのかは忘れてしま

ったが「被害者と言われる女性とその知人男性って何となく不審な感じがする」と当初から疑ってい

た私は、ほらな、って感じ。「嵌められる」のも人生ってわけ。那須で燻製卵を買って来た。10日

もかけて燻製したとある。タンメンに入れると旨いかも、とわざわざ麺に入れるモヤシやキャベツを

買って来た。昔朝食の定番だったサッポロ一番塩ラーメンに炒めた野菜と燻製卵。麺は半分残したよ。

夜 紀尾井町・ホテルニューオータニ「大観苑」4人で)1万5千円の匠コース(彩り前菜銘々盛り

:自家製叉焼・五目湯葉巻・老酒漬け海老とクラゲ・蒸し鶏四川ソース和え・胡瓜など、ふかひれ

姿煮、蝦夷アワビと海老炒め、北京ダッグ、鰻のチリソース煮、若鶏と白木耳の蒸しスープ、チ

ャーハン、チャイニーズスィーツ)、生ビール、麦焼酎「吉四六」ボトル8千円 

4人で88624

 

  

 

大のイチローファンのオジョー。イチローのシアトル、ニューヨーク時代は毎年母上と応援に現地に

飛んでいた程だ。メジャー3000本安打を達成したことをどう祝うのだろうかと思っていたら、何

と「メジャー3000本安打達成新車購入」していた!ボルボの新車!凄いなぁ。それはそれとして

K岩長女Мリちゃんの合格祝いとマンション鍵返却、我が家の食料品引き取りなどいろいろあるので

オジョーのボルボ新車に運搬付き送迎して貰いながら、中国料理を食べる会を催した。場所は、先週

人間ドックで宿泊&食事したニューオータニの「大観苑」の個室。匠コースのふかひれ姿煮はネット

リ旨く、蝦夷アワビと海老炒めのアワビはムチャ柔らかい。北京ダッグの皮が冷めてしまったのは残

念。鰻のチリソース煮もいいけど、やっぱり日本人はかば焼きがいいな。私は若鶏と白木耳の蒸しス

ープが一番美味しかった。食後車寄せで待っていると、そこに一台の車がすーっと入って来た。民進

党党首選の最終運動を終えた蓮舫氏が降りて来た。私らに向かってお辞儀。随分小柄な人ですなぁ。

              ____________

【今週の振り返り】

先週後半の三日に渡る検査を終えて、今週はゆったりとした時間が流れた。いつもアクセクと遊ん

で(?)いるから、こんなぼんやりした1週間は有難い。月曜日は夕方から歌舞伎座の「秀山祭」

を観に行った。初代吉右衛門の功績を顕彰し芸を継承するために始まった「秀山祭」も今年で十周

年を迎えた。初代吉右衛門生誕130周年。養子の当世吉右衛門が踏ん張る一ヵ月である。

 

歌舞伎を定期的に(というか全部)観るようになってから、かなりの年数が経った。観始めの頃は、

先代幸四郎(白翁)、2代前の松緑(2代)、2代前の勘三郎(十七代)が活躍した頃であり、亡く

なった團十郎は未だ襲名前の海老蔵で、若き菊五郎や先代松緑(辰之助)と人気の若手役者だった。

仁左衛門も襲名前で本名の孝夫を名乗っていた。玉三郎と組んだ「玉孝」は錦絵のように美しい水

も滴るの表現を使いたい二人だった。若さ一杯の勘九郎(十八代勘三郎)と襲名前の八十助(十代

三津五郎)もヤンチャ盛りだった。

 

先代染五郎(当世幸四郎)は、歌舞伎に限らず、ミュージカルの「ラ・マンチャの男」や「王様と

私」などの舞台にも出演して若い頃からスターだった。弟の吉右衛門は、初代吉右衛門の一人娘だ

った母が結婚する時「2人男子を産んで1人を吉右衛門の名前を継がせる」という父親との約束を

守って、幼い時に祖父の養子となった。優しくも芸には厳しい祖父は、吉右衛門が10歳の時に亡

くなってしまう。戸籍上では母親が姉であること、家族の中で自分だけ苗字が違うこと、若くして

スターになった兄・・。年若い吉右衛門は随分苦しい日々を過ごしたらしい。

 

しかし、芸道には励み続けた吉右衛門は、重厚な存在感ある演技で歌舞伎界を代表する大役者とな

った。当然ながら、人間国宝ともなる。池波正太郎は「鬼平犯科帳」のテレビドラマの主人公火付

盗賊改方長官・長谷川平蔵は、吉右衛門の実父八代目幸四郎(白翁)をイメージして描いたと言わ

れるが、4代目の平蔵として池波正太郎は当世吉右衛門に出演依頼。しかし、長い間固辞し続けた

彼であったが、平蔵と実年齢が同じになった頃から出演を決意したのだそうだ。以来、ジプシーキ

ングスの官能的なギターで始まる吉右衛門の「鬼平犯科帳」は十数年続くロング人気シリーズとな

り、まさに吉右衛門の当り役となった。大の鬼平ファンの私としては、これまで平蔵を演じた八代

目幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之助の中で、圧倒的に当世吉右衛門の平蔵が群を抜いて役柄にピッタ

リだと思うけどね。新橋演舞場では「ナマ吉右衛門・平蔵」を真近で観ることが出来て「わぁ!カ

ッコイイ!」とドキドキしたものである。

 

月曜日の夕食欄に既にも記述したが、「秀山祭」の夜の部、「吉野川」は素晴らしい舞台だった。吉

右衛門演じる大判事と玉三郎演じる定高。この芝居は、吉右衛門級、玉三郎級の役者が揃わないと

成立しない。そんな貴重な舞台を観ることが出来て、本当に幸運だと思っている。初代吉右衛門さ

んも、こんな名演技で自分を称えて貰えるのだから「孫を後継者にしてイガッタなぁ」と思ってい

るに違いない。

 

               役者っていうのはニェ・・

 

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